今年で17年目、京都芸術大学の瓜生山キャンパスの冬の風物詩となっているイルミネーションが、クリスマスの時期に合わせて点灯していました。「地域住民のみなさんや北白川を行き交う方々、そして共に学ぶ学生の心に灯をともしたい」ということが趣旨の一つです。
今年のテーマは「MINE」。色とりどりの鉱石がモチーフとしてあしらわれているのですが、それは一人ひとりの学生を表すものなのだそう。あえて「宝石」ではなく、あくまで「鉱石」というところがポイントだと思います。
学生や生徒は「宝石」ではなく「鉱石」です。鉱石はこれから磨かれるもので、その姿形や色合いは異なり、一つとして同じものはありません。大学や高校の生徒たちも同じです。互いに切磋琢磨し、ときにぶつかり合いながら勉強や文化活動に取り組む日々。
附属高校の教育目標は「10年後にいきいきと社会に参画する人財の育成」、つまり「10年後に社会で輝く存在になってほしい」と願い、10年後の皆さんの姿を想像しながら教育をしています。苦手なこともたくさんあると思いますが、いま苦手でもまったく問題ありません。これから磨けば良いわけですから。苦手を少しずつ得意に変えていくこと、あるいは苦手という思い込みを無くしていくこと、学ぶ喜びや楽しさを知っていただくこと。そんな高校生活になっていただけたらと思います。それが「10年後に社会で輝く存在になってほしい」の意味です。
点灯式の様子。
京都芸術大学の通信教育課程の卒業式で、とある教員が卒業生への餞の言葉として「互いによく似ているけれど、それぞれ少し違っている集団」だからこそ「磨き合う」という現象が生じるのだと、すなわちそれが「大学・学校」という場所だと話していたことが心に残っています。
価値観がまったく同じだと、互いに「磨き合う」状況は起こらず、逆にまったく反していると、互いにそっぽを向いたまま。いろんな価値観があることを認めつつ、自分の内なる気持ちにも正直でいること。それが大切だと思います。じぶんみらい科では、そんな自分らしさと仲間との協調性を育む教育を心がけています。
自分らしさや自分のペースを守りながら、
相手らしさや相手のペースを認めながら。
どう学びたい? 何を深めたい?
自ら選ぶからこそ、夢中になれることがある。
ほかの誰とも違う感性や価値観。
そこから生まれる表現力や創造力。
キミにしかできないことがきっとあるから
自分自身を信じてつきつめよう。