京都芸術大学附属高校「じぶんみらい科」ブログ

「今の高校を、このまま続けるのは難しいかも」と悩んでいる人へ

作成者: 京都芸術大学附属高校|2025.05.13

「転校」するって、不安ですよね。

一度は今の高校に入学したけれど「このまま続けるのは難しいかも…」と悩んでいる人やその保護者の方に読んで欲しいブログです。

どれくらいの人が、通信制高校に転校(編入)しているの??

通信制高校に転校する人って、どれくらいいるのでしょうか?
令和5年度(2023年度)の数字になりますが、こちらのグラフを見て下さい。

令和5年度のデータだと、4月の新入生(中学校卒)が55,867人。一方、他の高校からの転校生や高校を途中で辞めた人が4月に通信制高校に入り直した編入生が26,729人となっています。さらに5月以降(年度途中)に転校や編入で通信制高校に入り直した人が28,905人でした。

一年間で見ると、中学校を卒業してそのまま通信制高校を選んだ人と、1度高校に入ってからその後、通信制高校に入り直した人は、ほぼ同じ人数でした。令和5年度、春の全日制と定時制の生徒数が、2,918,486人だったので「50人に1人」くらいの人が転編入したことになります。もしかすると、思ったより少ないと思った人もいるかもしれません。

でも、30年前はもっと少なかったんです。全体で令和5年度が111,501人、平成15年度は55,629人と約半数です。

 

高校の生徒数が減少する一方、通信制高校への新入生・転編入生が急増中

内訳を比べてみると、4月入学の新入生は3.73倍と大幅に増えているのに対し、4月入学の転編入生は0.86倍と減っています。5月以降の期中の転編入生は2.97倍で大幅に増えました。この30年の間で高校生の人数は20%以上減少しているのに、新入生と期中の転編入生は、すごく増えているのです。

30年前は、中学校を卒業した時点で通信制高校を「進学先」として選択する人はまだ少なく、今ほど一般的ではありませんでした。むしろ高校に進学してから、年度替わりのタイミングで通信制高校に転校する人が多かったようです。

30年経った今では、通信制高校という存在が一般的になり、中学校を卒業する時点で「進学先」として通信制高校を選択する人と、年度の途中で通信制高校に転校する人が、大幅に増えているのです。
言い換えれば、通信制高校に進学・転校するという事が、30年前より「普通」になってきたということです(数字は、学校基本調査からの推計値を含んでいます)。

 

年度の途中で転校するという選択肢も当たり前に

年度の途中で転校を考える理由は、ひとそれぞれだと思います。

新しい学校に馴染めない。
人間関係がうまくいかない。
勉強についていけない。

こんなひとまとめにできないような、それぞれの理由があると思います。いずれにせよ、なにかしらの「困りごと」があるのだと思います。

周りの人は、今いる環境に合わせるように、自分が頑張らなきゃいけない。というかも知れません。確かにそうかもしれませんね。もし、その言葉に納得できるなら、ひとりで考えずに、誰かに相談してみましょう。そして、どうすればいいかを決めて、もう少し頑張ってみましょう。

ただ、今、このブログを読んでいる人の多くは、もう色々と考えて、実行しようとしてきた人ではないでしょうか。頭ではわかっていても、実行できないことなんて、山ほどあります。程度の差はあるかもしれませんが、誰もが経験していることです。

「困りごと」を乗り越える方法にはいくつかあります。

① 今の学校に自分をアジャストする(じぶんを変える)
② 今のままで、時間をおく(無理をしない)
③ 環境を変える(自分に合ったところに移動する)

どれも間違いではありません。まわりは①を勧める人が多いかもしれません。②は、しばらくはいいのですが、いつまで?と聞かれると、ちょっと苦しくなるかも。③は、環境を大きく変えることになるので、結構勇気がいることかも知れません。
いずれの選択をするにせよ、大事な事は、自分で考え、最後は自分で決定することだと思います。

最初にお伝えしたように、「転校する」ということはとても不安だと思います。それがベストな選択なのかもわかりません。ただ、今、そのような選択をしている人がたくさんいるのも事実です。中学校時代は、転校することがとても難しく、学校に対して困りごとがある生徒は、フリースクールや支援施設にいくという選択肢しかないかもしれません。でも、高校生は「通信制高校に転校する」という選択肢があり、事実、そのような選択をしている人がたくさんいます。

もし「一度は今の高校に入学したけど、このまま続けるのは難しいかも」と悩んでいるのであれば、たくさんの通信制高校が「転入」の受け入れをしているので、色々と調べてみて下さい。その上で、今のじぶんをもう一度振り返って、じぶんにとってより良い解決方法を見つけて下さい。