京都芸術大学附属高校「じぶんみらい科」ブログ

貝殻拾いが学びにつながる?「何かを集めること」が育む意外な力

作成者: 京都芸術大学附属高校|2025.04.10

こんにちは。美術科のさいもんと申します。今回のブログが初投稿です。少し緊張しますね。。。

突然ですが、みなさんは何かを集める趣味はありますか?
僕は、海辺に行って貝殻を拾い集めることが趣味なんです。足元に集中しながら砂浜を歩いていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。夏は熱中症に気をつけなければなりませんね。

 

砂浜で見つけた宝物:貝殻集めが趣味になったきっかけ

貝殻には様々な色・形・大きさのものがあります。さまざまな種類の貝殻を集められた時はうれしくなりますし、それを家に持ち帰って、並べたり飾ったりする時はとても幸せな気持ちになります。こう書いていると、貝殻だけでなく、小さいもの(サイコロとかフィギュアとか)を収集する癖が、小さい頃からあったように思います。

さて、「収集癖」と聞くと、たくさんの物を集めてなかなか手放せない、そんな少しネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、実はこの「集める」という行動は「学ぶ」ということにとって、非常に役立つものなのです。たとえば、切手やコイン、カード、おもちゃ、鉱石、電車の写真など、自分の好きなものを集める経験は、いつの間にかさまざまな力を育んでいます。

 

集めることで育まれる「5つのチカラ」

まず、収集することは「好奇心」を育てます。何かを集めるとき、人はそれについてもっと知りたくなります。たとえば、切手を集めると「この切手はどこの国のものだろう?」「いつ作られたのかな?」という疑問が生まれます。こうした疑問を調べることで、自然と本を読んだり、インターネットで調べたりする力が身につきます。これは、学びにもつながるとても大切な力です。

そして「観察力」や「分析力」も高まります。集めた物のちがいを見つけたり、分類したりすることで、物事をよく見て理解する力がつきます。これは理科や社会の学習にとても役立つと言えるかもしれませんね。たとえば、石を集めている人は、色や形、重さ、手ざわりの違いを注意深く観察するようになります。これは理科の「岩石や鉱物」の単元にぴったりです。また、石の種別や年代などに着目すると社会の「地理」や「歴史」の単元につながります。

さらに収集には「継続力」も必要です。一度集め始めたら、それをずっと続けていくために努力します。コツコツと集め続ける中で、計画を立てたり、目標を持ったりする力が身につきます。これは、勉強を続けていく上でとても重要なことですね。テスト勉強や受験勉強も、一度に終わらせることはできません。毎日の努力の積み重ねが大切なのです。

そして収集は「記憶力」も鍛えてくれます。集めた物の名前や特徴、手に入れた場所や時期などを意識せずとも覚えることで、記憶する力は自然に高まります。とりわけ、好きなことに関する記憶は、驚くほど鮮明に残るものです。このようにして培われた記憶力は、きっと日々の学習にも活きてくるはずです。

 

「好き」を見つける冒険!あなたの「集める」は未来の力になる

収集は「自分だけの世界」をつくることでもあります。他人とは違う、自分だけの興味や視点を持つことは、思考力や表現力を磨くことにつながります。集めたものについて友だちと語り合ったり、学校の探究的な学びの成果として発表したりする中で、コミュニケーション能力も向上するでしょう。

このように考えると、収集癖は単なる「趣味」に留まらず、自分の興味関心を深め、学ぶ力を伸ばすための非常に有意義な習慣と言えるのではないでしょうか。もし今、何かに熱中して集めている人がいるなら、その活動に自信を持ってください。そして、まだ収集の楽しさを知らない人も、ぜひ自分の「好き」を見つけ、何かを集めることから始めてみてください。それはきっと、将来の学びや成長の糧となり、未来の力につながるはずです。