京都芸術大学附属高校「じぶんみらい科」ブログ

クラスみんなで読むって、やっぱりいい。オンライン国語の可能性

作成者: 京都芸術大学附属高校|2025.07.13

こんにちは。国語科のささのです。
未だに毎回、授業前は緊張しています。たぶんこれからもずっと緊張するんだろうな。

教員をしていて一番幸せを感じるのは授業本番

今日は、そんな風に緊張しながら準備している授業の話をしたいと思います。
授業は言わば「本番!」生徒たちとの素敵な時間を目指して準備した成果を発表するところです。どれだけ緊張しても、本番はやっぱり授業の中での生徒とのやり取りが楽しすぎるわけです。こんなに楽しいことに一生懸命取り組めることを本当に嬉しく思います。良い仕事だ。

 

高校国語 大きなテーマの一つ「愛」

ただ私は、教員になりたての時から、授業が楽しかったわけではありません。楽しさより緊張が勝ってしまうことも、失敗してしまうこともありました。それでも試行錯誤を繰り返す中で、その時々の生徒と共有した時間や空間が、私をたくさん成長させてくれたのだと思っています。どれだけ準備しても想定しても、生徒たちから出てくる意見は毎回想像を超えてきます。

とりわけ印象的なのが「愛」についての授業。

実は、高校国語の教科書には愛がテーマとなる作品がいくつか出てきます。
これは最近そうなっているとかではなく、私が高校生のころよりずっと昔から。

今でこそ国語科教員をしている私ですが、当時はそれに全く気が付かなかったのです。それは自分が高校生の時には、テストで良い点数をとることしか考えていなかったからかなと。ああもったいない。

((せっかく愛がテーマなのだから、生徒たちとがっつり話したいな。))

愛について大人数で語り合う時間なんて、人生の中で何度あるかわからないですからね。
そんなことを色々考えながら授業をつくる時間はもちろん楽しいですし、やはり実際の授業では毎回生徒たちから学ぶことが多いです。

 

生徒たちは「愛」にどのように向き合うのか

作品をあらゆる角度から読み、愛について考える。
みんなで、その解釈を語り合う。そうすると作品の見え方が少し変わる。

「愛ってなんだろう」作品がクッションになっているから、これくらいの投げかけでも十分。
どんどん細部に迫っていく生徒、逆に全体像を捉えようとする生徒、それぞれ読み方が違うからこそ、どんどん深まって広がっていきます。

「愛と恋は違うよね?」
「ここで描かれているのは恋ではないのかな。」
「この部分は愛だと思うけどな。」
「どの部分?…確かに恋から愛に変わったように感じるね。」
「恋と愛の違いってなんなんだろう…」

読む箇所を変えたり、少し情報をプラスすると、また表情が変わる生徒たち。

「ねえ、愛ってしんどくない?」
「いや、恋もしんどいよ。」
「何を伝えようとしてるのかな、この作品。」
「恋愛やめとけ、って言われてる気がする。」
「私も。え、でもなんでそう思ったの?」
「やっぱりこの部分のさ…」

という具合に、生徒たちの中でどんどん対話は進んでいきます。そして時には(いや必ずかも)脱線もします。

「私、この人の気持ちわかるかも。」
「あのアニメでいうとさ…」
「あ、わかる。あのドラマにも似てない?」

 

対話の中では「脱線」も大切

実体験と照らしたり、似ている作品と照らしたり。
脱線も大事なのは、作品と自分がつながり始めたことの証なんですよね。自分の中の何かと作品がつながろうとしている。つまり文章が間にあっても、同じくらいそれぞれの感情や感じ方も大切です。そしてこの対話はそのまま、作者が作品の込めたメッセージを考えることにちゃんとつながっていきます。

やっぱり「みんなで読む」ってめっちゃ良い。
みんなで読むことに大きな価値があるから、国語の教科書から愛がテーマの作品はなくならないだろうと思うし、ちゃんとみんなで読むことができたら、その時間のことはみんな忘れないと思うんですよね。

 

オンライン授業だからこそ、できることがある

そして、オンラインだからこそ「みんなで読むこと」と「みんなで話すこと」が実現するのです。それはじぶんみらい科の生徒たちが教えてくれたこと。

対面授業の中で話せるのは4、5人です。声が届くには限界がありますよね。みんなの想いがもっとみんなに届いたら良いのになというのは、授業者としての悩みの一つでもありました。

そう、クラスみんなで読むのって、話すのって難しいんです。
でも、オンラインだったらできるんです!

クラスのみんなの意見を一度に聴くことができるのはオンラインだからこそだなと実感しています。30人で一気に声を出して話すのは難しくても、オンラインでなら「せーの」でチャットを送ったり、みんなで同じノートを見ることができます。

 

次が楽しみになるような授業を目指して!

生徒たちにとって、「今日の授業が楽しかったから、また次の授業が楽しみ。」となる、そんな授業を目指していきたいです。授業中や授業後の生徒たちの反応も見ながら、私たち教員が成長していくことが、生徒の学びのサポートになっていると信じています!オンライン授業の可能性もまだまだ探りがいがあって、やはり授業のことを考えるのは楽しいですね。

とはいえ、入学前の方や保護者の中には、オンライン授業のイメージが湧きにくいという方も多いのではないでしょうか。百聞は一見に如かず。
「みんなで学ぶって楽しい」を実感できる「じぶんみらい科のオンライン授業」体験授業を月に2回✨準備しているのでぜひ遊びに来てくださいね~!お待ちしています。

体験授業のラインナップはこちら!
https://lp-shs.kyoto-art.ac.jp/form/experience_online_lineup