京都芸術大学附属高校「じぶんみらい科」ブログ

アンドロイドと未来を見に、大阪・関西万博へ行ってきた。

作成者: 京都芸術大学附属高校|2025.07.22

娘が「万博に行こう」と言ってくれました。開催が決まった時、「大阪で万博なんて…大変だろうに…」と、どちらかといえば否定的に思っていましたが、今回行かなければ、二度と経験せずに終わってしまうだろうと思い、先日行ってきました。

 

今回、特に衝撃を受けたのは、石黒浩さんプロデュースの「いのちの未来」です。以前、マツコ・デラックスさんそっくりのアンドロイド「マツコロイド」が出てくるバラエティ番組を面白く見ていたので、興味を持っていたパビリオンでした。

 

「いのちの未来」で見た50年後の世界

「いのちの未来」パビリオンは3つのゾーンに分かれており、特にゾーン2では、50年後の未来のストーリーを観客として追体験します。「2075年のある人生」として祖母と少女「カナ」が登場します。ストーリーの中では、アンドロイドと人間が社会で共に生きていく日常を描きながら、私たちに「アンドロイドと人間は何が違うのだろうか」と問いかけます。

 

AIとアバターが当たり前の社会

カナが勉強しているシーンでは、AIロボットが勉強や生活の悩みに答えたり、アバターを使って世界中の仲間と勉強したりできる様子が映し出されます。「今日、アンドロイドの先生がね、〇〇を教えてくれたの」というセリフを聞くと、自分の仕事はこの先どうなっていくのだろうと、一抹の不安を覚えます。私たちは教室やオフィスといった空間や移動から解放され、いつでも好きな時に自分のやりたいことを実現できる社会になっていくと考えられます。

たとえば、「じぶんみらい科」はオンラインで学ぶ新しい教育の形ですが、今後はアバターを使って仮想空間の中で授業ができ、日本だけでなく世界中の人々が(同時通訳も使って)一緒に学ぶことができるようになるでしょう。アバターを使って生活することが当たり前になってくると、もう“肉体”は必要なくなるのかもしれない、そんな風にも考えさせられます。

 

人生の選択:アンドロイドに引き継ぐ「いのち」

ストーリーの後半では、祖母の寿命が間近に迫っていることを知り、いのちの選択をライフエンハンサーと相談していきます。

・寿命を全うしてお墓で眠る
・アンドロイドに人生を引き継ぐ

祖母は、はじめは寿命を全うすることを選択しますが、カナの寂しそうな表情を見て、 「私はアンドロイドの体で、大切な人を思い続けることができるのかしら?」と問いかけます。

「人間はロボットに近づき、ロボットは人間に近づく」という発想について、ロボットが人間らしく振る舞うことは想像できましたが、人間がロボットに近づくなんて考えてもいませんでした。さらに、このパビリオンを通して、人間の労働の大半がアンドロイドに代替されていくのであれば、私たちは何を生きがいとして生きていけばよいのか、わからなくなってしまいました。それでも、石黒さんは、パビリオンの最後で次のメッセージを伝えます。

「人は自ら未来をデザインし、生きたいいのちを生きられる」

50年後のロボットと人間が共生する未来を、ぜひこの目で確かめたくなりました。そのためにも、自分が後50年生きられるように、今から糖質を控え、タンパク質をしっかり摂って健康寿命を伸ばしつつ、NISAも活用して資産形成にも取り組み、これからの人生を豊かに生きなければと思います。また、二度と行けないと思っていた万博も、今度は娘とアバターを使って見学する未来も見えてきたように思います。(ちなみに、この文章はアンドロイドではなく、本人が書きました。信じてほしい!と思いつつ、50年後はそんなことは大したことではないとなっているかもしれませんね。)