厳かな雰囲気の中、薪の灯りに照らされて浮かび上がる姿は、それはもう美しいもの。パチパチと薪の音、虫の音やそよぐ風の音が聞こえ、とても趣のある幽玄な世界でした。そして所作(立ち振る舞い)。立っているだけでもその凜とした佇まいが美しく、重心の安定感や足の運び方など、登場から退場まで全くの隙がありません。頭から指先まで神経が行き届いてるように感じました。
本学は「芸術教育」を基盤とする学園です。キャンパス内には本格的な劇場「春秋座」もありますし、さまざまな伝統芸能や舞台芸術作品の公演が行われています。中学・高校生の皆さんは、まだそれほど馴染みがないかもしれませんが、せっかく京都の学校に通っているわけですから「伝統文化・伝統芸能」にぜひ触れてみていただきたいものです。舞台の空間表現、デザインや舞台美術、衣装、身体表現など、少しでも関心があることに惹きつけて鑑賞してみると良いかもしれません。
第36回 瓜生山薪能
開催日:2024年5月23日(木)
場所:楽心荘(雨天の場合は春秋座)
開演:18:30(20:30頃 終了予定)
演目:
狂言「筑紫奥」(つくしのおく) 茂山千之丞、茂山宗彦
能「田村」(たむら) 観世銕之丞