京都芸術大学附属高校「じぶんみらい科」ブログ

料理もデザイン思考!? じぶんみらい科の「創造科目」とは

作成者: 京都芸術大学附属高校|2025.01.16

京都芸術大学附属高等学校じぶんみらい科には、本校独自の「創造科目」という科目があります。
今回は「創造科目」担当のりさてぃより、この科目の魅力についてご紹介します。

 

課題解決のための考え方を学ぶ

創造科目は「課題の解決に必要な思考方法(デザイン思考)を習得する」ことを目的に作られた科目です。少し固い説明に聞こえますが「思考方法」を学ぶということが大切なポイントになっています。

技術やスキルを学んで身に着けるのではなく(もちろん後からついてくるものもあるのですが)「思考方法」、つまり考え方に重きを置いているんです。

考え方を学ぶということは、上手下手は関係ありません。もちろん知識を問うことや記憶力も重要ではありません。

では考え方ってどうやって学ぶのでしょうか…?

 

高大連携から生まれた授業

京都芸術大学には「マンデイプロジェクト」と呼ばれる名物授業があります。
画像のように個人の持ち物をグラデーションに並べたり、天井まで届くような大きなサイズのものを作ったりしているため、日常にはなかなかない風景を目にすることになります。

一見何をしているかわかりにくいのですが、ワークショップと呼ばれる「体験」を通じた学びなので、頭だけでなく体も心も使って、創造的なものの見方や考え方を身に着けていくことができます。

創造科目は、この「マンデイプロジェクト」を下敷きにしています。担当のアーティストやデザイナーの先生方と一緒に、高校生向けにアレンジして作っているので、高校生の皆さんも、体験しながら自分の考え方を広げていくことができるようになっているんです。

 

「デザイン思考」って何?

もうひとつ、「デザイン思考」という聞きなれない言葉も気になりますよね。ビジネスの現場でも注目されているキーワードですが、デザイナーなど一部の方々が行っている特殊な能力であるというイメージが強い方もいるかもしれません。

でも、私たちも実は、毎日気づかないうちにデザイン思考をしているんです。
例えば… 「料理すること」もデザインだと言えます。

・家族の体調、リクエスト、食べる顔などを思い浮かべる
・家にある食材を確認し、メニューを想定して買い物へ行く
・食材の値段や量を見ながらメニューを変更・調整する
・出来立てを食べてもらうための段取りを考える
・下ごしらえや味付けを調整する

こうして改めて見ると、実に多くのプロセスがありますね。
日常的な料理では、最終的な盛り付けなど見た目の美しさ以上に「相手を観察すること」「相手の幸せを想像すること」に重きを置いているのだと思います。

デザインと言うと、かわいい、きれい、というような見た目の話と捉えられがちなのですが、「デザイン思考」とは本来はこんな考え方なんですね。

写真は授業動画の一部。

 

実際の授業ではこういった動画を見てもらったり、スクーリングで一緒にワークショップに取り組みながら、観察したり、調べたり、考えたり、表現したりするなかで、課題解決の力を身につけていくことができます。

「デザイン思考というのはこんな方法です」と決めつけるのではなく、生徒の皆さんが自分なりのデザイン思考に気づくことを大切にしますので、ぜひ楽しみにしていてください。