こんにちは。美術担当のさいもんです。
みなさんは「永遠」という言葉を聞いたとき、どんな景色を思い浮かべますか?
どこまでも続く道、静かに広がる水平線、あるいは夕焼けに染まる空…。今回は、大阪・関西万博のシンボルのひとつ「大屋根リング」を実際に歩いた体験を通して、そんな「永遠」という感覚について少し書いてみようと思います。
8月に開催された「夏の特別オンライン体験授業Week!~@大阪・関西万博~」。その下見のために、7月のある日、万博会場を訪れました。取材を終えたあと、ひとりでウワサの「大屋根リング(以下リング)」を歩いてみることに。
エスカレーターでリングの歩道まで昇ると、外周2025mという巨大な円形の道が目の前に広がります。それは、まるでどこまでも続いていく「永遠の道」のように感じられました。
昼過ぎで太陽は真上。気温は軽く35度を超えていたと思います。風がふっと吹くと心地よさを覚える瞬間もありましたが、足元の床からの照り返しは強烈で、まるで砂漠を歩いているかのよう。どこまで歩いても同じ景色が続き、やがて自分が今どこにいるのか分からなくなるような感覚に襲われました。
ふと遠くに海が見えます。水平線を眺めながら、「永遠って、こういう景色のことかもしれない」と思いました。でもリングの内側に目をやると、そこにはパビリオンの建物、人々の声や影…。
ああ、ここはやっぱり「現実」なんだ、と改めて感じさせられます。
それでも、異国のサインが目に入ったり、どこからともなく民族音楽のような音が聴こえてきたりして、この場所は少しだけ夢の中のようでもありました。
頭がぼんやりしてきた頃、すれ違うのは多くの外国から来た人たち。言葉は分からないけれど、それぞれの思いを抱えながらこのリングを歩いているんだろうな、と想像します。
「ここで夕焼けを見たら、きっときれいだろうな」
そう思いながらも、夕暮れを待たずにリングを降りることにしました。喉はからからで、もう限界だったのです。
一生に一度の経験かもしれない…。そう思いながらも、心のどこかで「いつかもう一度、夕焼けの時間にこのリングを歩いてみたい」と願っていました。
みなさんなら、「永遠」を感じる景色はどんなものですか?