能や狂言の鑑賞会「瓜生山薪能」。幽玄の舞台が誘う芸術の世界
5月下旬に今回で37回目を迎える「瓜生山薪能」が開催されました。
瓜生山薪能は、1988年に野外能舞台「楽心荘」の竣工を記念して開催されたのが始まりで、瓜生山学園の学生や生徒、学園創設にあたりご支援をいただいた方々、地域の皆様などをお招きし開催しています。昨年からは附属高校の生徒や保護者の方々もご覧いただけるようになったのですが、予約枠はすぐに埋まるほどでした。



今年は強風のため薪を焚くことは控えましたが、日が暮れていく中、幻想的に浮かび上がる姿は、まさに幽玄そのもの。虫の声、風が木々を揺らす音、そして雨を予感させる独特の香りが混じり合い、五感すべてで能の世界を感じられる貴重な体験でした。


私たちは「芸術教育」を大切にする学園です。キャンパスには本格的な劇場「春秋座」もあり、普段から多様な伝統芸能や舞台芸術作品が上演されています。中学生や高校生の皆さんには、伝統文化や伝統芸能は少し敷居が高く感じるかもしれません。でも、京都という地で学ぶ私たちだからこそ、能という日本の伝統に触れる機会を活かしてほしいと願っています。
舞台の空間作り、舞台美術や衣装の美しさ、演者の身体表現など、どんな些細なことでもいいので、自分が関心を持てる点を見つけて鑑賞してみましょう。きっと、新しい発見と感動があるはずです。この特別な体験を通して、日本の伝統芸能の奥深さに触れてみてください。
第37回 瓜生山薪能
開催日:2025年5月23日(木)
場所:楽心荘(雨天の場合は春秋座)
開演:18:30(20:30頃 終了予定)
演目:
狂言 「蝸牛」(かぎゅう)茂山宗彦
能「養老」(ようろう)観世銕之丞
撮影:山神美琴
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