世界が教室!旅する僕の人生へようこそ!:地歴・公民科クボデラブログ
みなさん、こんにちは。
地歴公民科を担当している久保寺です。
今日は少し時間をいただいて、僕の個人的な話をさせてください。
僕が今、高校で地歴公民科を教えているのは、特別な才能があったからではありません。むしろ、昔は授業をサボりがちな中学生でした。そんな僕が、どうしてこの仕事をしているのか――。
そのきっかけは「たった一枚の写真」でした。
シルクロードへの憧れ
小学生のとき、授業そっちのけで社会科の資料集を眺めていたことがあります。そこに写っていたのは、ロバ車を引くおじいさんと、彼が歩くまっすぐな道。
それが「シルクロード」だと知ったのはもっと後のことですが、その写真に心を奪われ「いつかこの場所に行ってみたい」と漠然と夢見るようになりました。

現実と夢のあいだで
中学生になると、その夢はすっかり頭の中から消えてしまい、高校でも特に目標もなく、ただ毎日を過ごしていました。
それでも心のどこかに海外への憧れは残っていて、卒業後の進路で海外留学を希望したこともあります。
当時の担任の先生に「現実を見なさい」と諭され、一度は諦めかけました。
その後、紆余曲折を経て僕は消防士になりました。しかし、上下関係や体育会系の雰囲気に馴染めず、怪我をきっかけに全てを投げ出してオーストラリアへ。これが、僕のバックパッカー人生の始まりでした。

世界を旅して学んだこと
オーストラリアでは、ほぼゼロからのスタート。
それでも現地で働きながら、少しずつ英語が話せるようになっていくのが嬉しかったことを覚えています。
海外で働く外国人労働者として、日本で暮らすことのありがたさや、自国の文化の良さを改めて感じることができました。
その後、アジア、ヨーロッパ、中東、そして北アフリカへ。
お金がなくても、現地の情報を日本の会社に売って小銭を稼いだり、旅先で出会った友人の家を泊まり歩いたりしながら、世界を旅しました。
教科書だけでは学べない、たくさんの「生きる知恵」を学びました。
旅が教えてくれた“学ぶ楽しさ”
そんな旅の途中で、ふと思いました。
「こんな経験を授業で話せたら、きっと面白いだろうな」と。

トルコの祈りの舞踊「セマー」
そして、子どもの頃からの夢だったシルクロードを横断。日本に帰国してから、人生で初めて本格的に大学受験勉強を始めました。30歳を過ぎてからの勉強は決して楽ではありませんでした。でも、旅を通して得た“学ぶことの楽しさ”が僕を支えてくれました。
そして無事に大学に合格。今、こうして皆さんに地歴公民科を教えています。

遠回りこそ、僕の財産
僕の人生は、決して順風満帆ではありません。むしろ、失敗や遠回りばかりでした。それでも、そうした一つひとつの経験が、今の僕を形づくっていると信じています。

最後に。
将来について悩んだり、「自分には何ができるんだろう」と不安に思う人もいるかもしれません。でも、心配しないでください。
僕の経験が、少しでもみなさんのヒントになれば嬉しいです。
地歴公民科の学びは、過去の出来事や世界の仕組みを知るだけでなく「自分自身の未来を切り拓くための“地図”」でもあります。授業を通して、その地図を一緒に広げるお手伝いができたら、これほど嬉しいことはありません。
僕の旅の話や、みなさんの未来のこと――ぜひ一緒に語り合いましょう。
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