THE BLUE HEARTSの名曲『青空』から学ぶ社会科:地歴・公民科クボデラブログ

THE BLUE HEARTSの名曲『青空』から学ぶ社会科

こんにちは!地歴公民科(社会科)の久保寺です。

みなさん、社会科なんて大嫌いだ!
「歴史の年号なんて覚えて何になるの?」「地図なんて生活に関係ない」……そんなふうに感じてしまう瞬間はありませんか?

実は、教科書の中で「乾いた知識」に見えるものは、私たちが感動する音楽や、何気ない日常の風景と深くつながっています。
今日は、伝説のパンクバンド THE BLUE HEARTS(ザ・ブルーハーツ)の名曲『青空』を入り口に、時空を超えた学びの旅へ出かけてみましょう。

 

歌詞に登場する「バス」が意味するもの

『青空』という曲は、保護者の皆さんにとっては青春真っ只中の一曲でしょうし、中学生の皆さんもCMやカバー曲などで耳にしたことがあるかもしれません。
この曲は、こんな歌詞から始まります。

「運転手さん そのバスに僕も乗っけてくれないか
 行き先ならどこでもいい
 そんなはずはないだろう」

そして、あまりにも有名なフレーズが続きます。

「生まれた所や皮膚や目の色で
 いったいこの僕の何がわかるというのだろう」

この歌詞は、作詞を担当した真島昌利さんが、幼いころに見たあるニュースをもとに生まれたと言われています。それが、1955年、アメリカ南部アラバマ州モントゴメリーで起きたバス・ボイコット運動です。

当時のアメリカ南部では、黒人と白人を明確に分ける「人種隔離政策(ジム・クロウ法)」が存在し、バスの座席でさえ「白人用」と「黒人用」に分けられていました。

車内

ある日、黒人女性のローザ・パークスさんが、白人に席を譲ることを拒否し、逮捕されます。この事件への怒りが、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を中心とした大規模な抗議運動へと発展しました。
これが、教科書で太字になっている「公民権運動」の大きなうねりとなったのです。

Martin_Luther_King_-_March_on_Washington

 

なぜ「差別」は生まれたのか?

では、なぜアメリカでは、これほどまでに黒人差別が根深かったのでしょうか。その理由をたどると、17世紀から続いた奴隷制度に行き着きます。
アフリカ大陸から無理やり連れてこられた人々は、南部の綿花プランテーションなどで、人間としての尊厳を奪われ、過酷な労働を強いられました。

James_Hopkinsons_Plantation_Slaves_Going_to_Field

南北戦争を経て奴隷解放が実現した後も、「人間を格付けする」という歪んだ考え方は、法律や慣習(ジム・クロウ法など)として社会に残り続けたのです。

 

関係なくはない、今の私たち

「昔のアメリカの話でしょう?」と思ってはいけません。
現代のアメリカでも、Black Lives Matter(BLM)運動が起こるように、構造的な差別は完全には解消されていません。

black_lives_matter

では、日本はどうでしょうか。
特定の国籍や民族への偏見、外国人労働者に対する不当な扱い、ネット上の匿名性を利用した誹謗中傷。私たちは胸を張って、「差別はない社会だ」と言い切れるでしょうか。

『青空』の歌詞は、こう続きます。

「誠実さのかけらもなく
 笑っている奴がいるよ
 隠しているその手を見せてみろよ」

この言葉は、知らず知らずのうちに偏見を抱いてしまっているかもしれない、私たち自身の心への問いかけのようにも響いてきます。

 

学びの原点は日常の「なぜ?」という問い

勉強とは、単語帳を丸暗記することではありません。

「なぜ、この歌詞はこんなに胸に刺さるんだろう?」
「どうして、牛丼はこの値段なんだろう?」
「コンビニでは、なぜ外国の人が多く働いているんだろう?」

こうした日常の素朴な疑問(問題提起)から歴史をひもとき、現代社会(公共)の課題を考えていくこと。それこそが、本当の意味での社会科(地歴公民科)の学びです。

現代社会には、多くの課題が山積しています。
それらを「自分には関係ない」と目を背けたり、深く考えずに誰かの意見に流されてしまったりしてはいないでしょうか。ぜひ、日々の生活の中で、改めて「なぜ?」という問いを立ててみてください。

社会科の学びは、誰もが互いを尊重し、支え合える社会をつくる力を育てるものです。教科書を開くことも大切です。でもそれと同じくらい、身の回りにある「なぜ?」「どうして?」を大切にしてみてください。
そこから世界は、『青空』のように、驚くほど深く、広くつながっていくかもしれません。

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